女神転生シリーズ:追伸
ロウとカオス
女神転生シリーズにはロウと、カオス、そして、ニューロラルという属性分けの概念がある。
最近のシリーズでは仲魔の分類分けでしか使われないこの属性。
真・T、Uではストーリーも変わるほどの重要な要素であった。
ロウは、主に法や、秩序を重んじる者達である。神による平和な世界を目指している。
カオスは逆に秩序を嫌い、混沌を好む。力至上主義、力によって支配をする世界である。
ニュートラルはこれら2つの間にある。これは、これら2つのどちらにも属さない、
良く言えば柔軟な、自由な、悪く言えばどっちつかず、中途半端なイメージである。
このロウとカオス、どちらが善か悪かと言う分け方は出来ない。
ロウに属する者にとってはロウが正しくあり、カオスは間違っていると考える。
カオスにしてみれば、ロウの方こそ間違いだと考えている。
ただ、両者に共通する事は、彼らにとって自分と相知れない者は悪であり、
自分と考えを同じくする者は善であると言う事だ。
では、詳しく解説しよう。ロウは神の名の下、千年王国と言う理想郷を築かんとしている。
千年王国とはロウが掲げる平和の世界の事だ。
ここでは全ての人に神の名の下、未来永劫の平和と幸福が訪れる、と言われている。
このような理想郷は世界各地の様々な神話、伝承で語られている。
もちろん、その神話中でこの理想郷を築くのは神や、救世主と呼ばれる存在だ。
ロウ側のメシア教は神の言葉を忠実に守り、理想郷へと導いてくれるメシアの登場を待ち、
その準備を整えようとする宗教だ。教徒は尖兵として、教徒でないロウの者も、
法を乱し、混乱、混沌をもたらすカオスの者を倒さんとしている。
彼らにとってカオスとは正に倒すべき平和への道を邪魔する者である。
カオスの望む混沌、混乱をなくすべく神による加護を求め、
秩序ある平和な世界を築かんとしている。
これに対して、カオスには、千年王国などのまとまった理想は無いが、主に神、唯一神への復讐を目的としている。
力による支配、地上の混乱、神が求めようとする物を打ち砕き、それを以って神への復讐とせんと企んでいる。
ルシファーを筆頭にカオスの者は、ほとんどがかつては人に崇められる存在であった。
しかし、唯一神は己と同等たる存在を許さず彼らを堕としめた。
唯一神はその名の通り自分こそが唯一にして絶対の神であるために、
自分にそむく物、相知れない者をおとしめた。
ルシファーの企む、復讐とは、唯一神の掲げる秩序という名の支配をなくし、
混沌の中から生まれる自由を勝ち取ろうとするものだ。
神の支配による秩序の世界。何者の支配も無い、混沌だが自由の世界。どちらが正しいかなど、分からない。
だが、そこに生きる人々、いや、人だけでなく、全ての生きるものが必要とするものが必要なのだ。
強制される支配、力のみが全ての世界。そのどちらも必要とはされないだろう。
真に必要なもの。それは生きる意思。例え、頼るもの、すがるものが無くとも、
生きる意思があれば、自ずと必要なものは見えてくるだろう。
それが秩序なのか、混沌なのかは分からないが。
2002/04/25