〜途中書き・5〜
(閉じた緞帳の前にスポットライト。そこに照らし出される一人の女性)
皆様、こんにちわ。毎回「夢と現と幻と永久の物語」お読みいただき、ありがとうございます。
私は、先日公開された第十二話に登場した「彼女」と呼ばれていた者です。
本来こういう場では、執筆者であるあの男に話をさせるべきなのですが、
彼を説得し、私が直接皆様にお話しようと思い、こうして登場した次第でございます。
そういったわけで、今しばらく、私の話にお付き合いいただければ、と思います。
さて、まずお話しなくてはならない事なのですが、第十一話に登場していた人物。
あれも私なのです。私はこれまで、第八話、十一話、そして十二話に登場していました。
執筆者の説明不足により、皆様には分かりにくい事になってしまい、申し訳ありませんでした。
基本的に「本編」は深弥伽達や私の話となっております。
また本編で「彼女」なんて名称の人物が出てきましたら、
それは私だと思っていただければいいと思います。
それと、これまで、いくつかのお話を短編形式で皆様にお話ししてきましたが、
これらの話は全てが時間軸順に並んでいるわけではありません。
全てのお話は、私達が体験したことを、執筆者であるあの男に代理で書かせているわけです。
しかし、第一話で月に出かけた後に、ご老人のアンティークショップや本の館に出かけたとは限らない、
というわけです。まあ、深弥伽達が月に出かけるのも毎年のことですし、私も長く生きてますから、
正確にはそれぞれの話がどういう順番であった事か、なんて定かではないのですが…。
そんなことは些細な事なのでどうでもいいでしょう。
私たちはただ、私たちにあった出来事をあの者の手を通して皆様にお伝えするだけなのです。
さて、短い時間ではありましたが、私のお伝えしたいことは以上です。
では、また機会がありましたら、本編、もしくはこの場でお会いしましょう。
(ペコリとお辞儀する「彼女」そして舞台は暗転)
・・・
(閉じたままの緞帳の向こうから声が近づいてくる)
マ:んもー、今日は途中書きの日だから来いって言われて来たのに、どーなってるの?
深:うーん、作者のあの人も姿を現さないね。
マ:きゃぁ!?
深:大丈夫?
マ:んもーなによぉ!?こんなトコに物置いておかないでよ!
深:この薄暗さにも目が慣れてきたおかげか、なんとなくこれが人っぽい感じが見えるよ。
マ:あれ、これ作者じゃない?
深:うつ伏せだけど、この背格好は確かに作者の人っぽいね。
マ:人を呼びつけておいて、こんなトコで寝てるなんて何考えてるのかしら!?
…ってあら?
深:?どうしたの?
マ:ねぇ、深弥伽?コイツって背中から鉄の棒なんて生やしてたっけ?
深:それは人として間違った構造だねぇ…。
マ:…。
深:…。
マ:とりあえず…。今日は帰ろっか?
深:そうだね…。
(やがて静かになる)
途中書き終わり
なお、今回の途中書きは本編 第拾弐話掲載後のものです
2005/10/20