フラン様かぁいいよ、かぁいいよ、ょぅι゙ょだよ(マテ

フラン様かぁいいよ、かぁいいよ、ょぅι゙ょだよ(マテ
東方弾幕浪漫狂 〜前編〜
〜「東方紅魔郷」より〜


ゲーム内容を崩さない程度にではありますが、
ストーリーの展開上、スペルカードの順番、性質を一部変えているところがあります。
ご了承ください。

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 霊夢と魔理沙が紅魔館に向かっている間、レミリアは咲夜と博麗神社にいた。
「あの子も…。」
「え?」
 ポツリと漏らしたレミリアのつぶやきに咲夜は反応した。
「あの子も、外に出してあげるべきなのかな?」
「妹様の事ですか?」
「そう。」
霊夢達が今紅魔館に向かっている理由は、そのフランドールのためだ。
 普段、食事目的でたまに館を出ることもあるレミリアだが、食事以外の目的で外出することなど、これまでほとんどなかった。 食事が済めばすぐに館に戻っていた以前と違い、今は一日この神社にいることもある。
 そんな気配を察し、フランが動き出すのは当然だったのかもしれない。
 しかし…。
「あの子は力が強すぎる。だから外に出さないようにしてきた。」
 もし間違っても人間に危害を加えるようなことになれば…。
 人間は危険因子を徹底的に排除しようとする。 かつて、同じ人間でありながら、人間によって社会から排除され続けてきた咲夜にはそのことがよく分かっていた。
「フランも外に出ようとはしなかったし。」
 そういってお茶を一口飲んだ。 今日のお茶はいつもの紅茶ではなく、先ほど霊夢が淹れてくれた緑茶だ。
「でも、もしかしたらフランも外に出たがってたのかもしれない。ううん、きっとそうだわ。」
 自分を慕い、常に自分の後を付いて来ていたフランドール。 彼女もレミリアと同じように行動したかったはず。
「今更こんなこと考えるなんてね…。」
 自嘲気味にレミリアはうつむきながら笑った。
「ねえ、咲夜。」
「なんでしょう?」
「私は…フランのためを思ってやってたつもりだった。 でも、正しかったのかな、それとも間違ってたのかな?」
「さぁ、私にはお嬢様の正誤など、判断しかねます。ただ…私は従者ですので。 私のお仕えすべき主はここにいるレミリア様、ただお一人です。」
 レミリアはそんな咲夜の言葉を聞いてクスクスと笑い出した。
「それよりお茶のお代わりは如何ですか? 紅茶とはちょっと勝手が違うので、霊夢ほど上手く淹れられませんが、ここのお茶はいいお茶のようですよ。」
「頂くわ。たまには緑茶も悪くないわね。」

 その頃紅魔館では、フランドールと遭遇した魔理沙が、激しい弾幕の打ち合いをしていた。
 紅魔館に着き、霊夢と二手に分かれて探索を始めた魔理沙は、再びパチュリーを退け、そして現在に至っている。
「あはは、あなたってすごいのね。他の人ならもうとっくにおちてるのに」
「はは、そう簡単にはやられてやれないさ。」
状況は明らかに魔理沙には不利だった。相手は相変わらず笑いながら弾幕を展開してくる。その弾幕の緻密さ、激しさ、どれを取ってもレミリアのそれを遥かに上回る。
 が、魔理沙とて、唯一の例外を除いて、これまでもあらゆる相手に不利な状況からも勝ちを収めてきた。そう簡単にあきらめるわけにはいかなかった。

「フランはずっと館の中にいた…。」
 場面は再び博麗神社。
「そして、必要な者としか接することなく生きていた。」
遠く、今は雨に濡れる紅魔館のある方角を見ながら、レミリアは言葉を続けた。
「他のメイド達はフランに逆らうことなんてなかったし、私も極力あの子の我儘は聞いてきた。」
 ご自身も結構我儘をおっしゃいますけどね…。と咲夜は思ったが、口には出さなかった。
 そんな咲夜の思考を読んだのか、レミリアはジト目で咲夜を眺めるが、しばらくして言葉を続けた。
「あの子にとって館での都合のいい生活は、やがてあの子の感情を喜怒哀楽のうち、「喜」や「楽」だけにしていったわ。」
 笑顔であらゆる物を破壊していくフランドール。元々、あらゆるものを破壊する程度の能力を持っている彼女にとって、 破壊する事そのものにはなんの感情も持たない。極々、自然なことなのだ。
 そしておおよそ自分の思い通りになる生活。
 だからこそ、怒や哀など普段使われることの滅多にない感情は、長い時間の中で忘れられていった。
「「哀」を忘れているから、その破壊力は加減を知らない。「怒」を忘れているから、殺気もない。」

「魔理沙!?」
ぶつかり合う魔力の気配を察し霊夢が戦いの場たどり着いたとき、 魔理沙とフランの戦いは中盤に差し掛かろうとしていた。
「まだおちないの、あなた?」
 フランドールは次のスペルカードを繰り出す。

 ―禁忌「カゴメカゴメ」

 魔理沙の周囲を弾幕が囲む。カードの名前どおりに籠の中の鳥となる。 しかし、この素早い鳥に籠など無意味だった。鳥は籠から逃げ出してしまう。
 相手を仕留められていない事を確認すると、フランドールは次のカードを放つ。

 ―禁忌「恋の迷路」

 これもまた突破口を見出した魔理沙の前には無力だった。
「私は恋の魔砲使い!そんな迷路なんて、すぐに抜け出してやるぜ!」
 軽口を叩く魔理沙だったが、しかし消耗が激しいのは霊夢の目から見ても明らかだった。
「あなた、どうしてまだおちないの?」
 同じ言葉が三度フランドールの口から零れる。
「へへ、諦めの悪い性格でな。」
 そういってニヤリと笑う魔理沙。
「それに、そこにいるヤツにあんまり無様なトコ見せたくはないしな。」
 魔理沙は霊夢が来ていたことに気づいていたようだ。
「そんなワケだから、霊夢。手出しは無用だぜ。」
 フランドールからは目を離さず、魔理沙は一方的にそんな事を霊夢に言い放った。
「…分かったわ。」
 魔理沙にそんなコトを言われては、霊夢はただ承諾するしかなかった。
「大して余裕がないワリには軽口を叩くのね。」
「余裕がないのはそっちだって一緒だろう?」
「それはどうかしら?」
 フランドールは再び弾幕を展開する。
 魔理沙が今しがた言った言葉は挑発や、ハッタリでもなかった。 フランドールの方も余裕がない様子なのを口調から感づいてきていた。
 おそらく、思い通りに墜(お)とせない自分に対して動揺している。
 動揺は心を乱す。乱れた心は、魔力で以って展開される弾幕にも影響を与える。
(これなら…いけるか?)
 しかし油断することなく、魔理沙も弾幕を展開した。

 もう何度目になるのだろうか。フランドールは次なるカードを解き放つ。

 ―禁忌「フォーオブアカインド」

 カードの魔力によって仮初の体を得た3体のフランドールが魔理沙の前に現れる。
 魔理沙の放った弾が4体の内の一体に命中した。しかし手ごたえはない。
(本物以外には効き目がないってか…。)
全く同じ姿をし、同様に強力な魔力をもつ分身たち。その4体に魔理沙は翻弄されていた。
「…は…のね」
「え?」
「…あなたは自由にどこへでも飛んで行けるのね…。」
「わたしはずっと閉じ込められていたのに!」
 最初は空耳かと思ったつぶやき声。
 しかしそれは、目の前の4体のうちの2体が漏らした言葉だった。
「…お姉様はいつも自由に外に出ているのに…。」
「わたしだけが閉じ込められているのに!」
 次々と呪詛のように言葉を紡ぎ出すフランドールの姿をした、フランドールに生み出された仮初のフランドール。
「…あのとき、あなたはわたしを連れ出してくれなかったじゃない…。」
「一人、わたしを置いていったくせに!」
「……?」

「…おかしいわね…。」
「え?」
 魔理沙とフランドールの戦いを床から見上げていた霊夢の横から、突然声がかかった。
 それは、先ほど魔理沙と戦っていたパチュリーだった。
「おかしいって、なにが?」
「妹様の様子…。人間相手に「フォーオブアカインド」まで使うことになっているからかしら…。」
 明らかにいつもと様子がおかしい…。
「確かに、さっきから言ってることが意味不明だわ。」
「魔理沙と妹様が出会ったのはこれが初めてのはず…。」

 魔理沙は知る余地もないが、4体のフランドール。それは彼女の喜怒哀楽。
 そして、今言葉を漏らす2体は、フランドールの長い生の中で忘れかけていた「哀」と「怒」。
 魔理沙やパチュリーの予想通り、フランドールは動揺していた。
 これまで相対した相手はもっと簡単に墜とせていた。それが人間如きにてこずり、 これまで長らく使うことのなかった「フォーオブアカインド」まで使うハメになるとは。
 そして、ずっと使われることのなかった、 動揺したフランドールによって発動させられたカードの魔力は、 ずっと表に出てくることのなかった感情をも表に吐き出していた。

 フランドールのこれまでを、特にレミリアから聞いていたわけではなかったが、 彼女らの言葉からフランドールがどのような扱いを受けてきたのか、少しながら理解してきた。
 しかし、たった今聞いた言葉は理解不能だった。あのとき? 魔理沙にはよく分からなかったし、心当たりも全くなかった。
 だが、これはチャンスだ。言葉を紡ぐ2体と黙ったままの2体。 今までは区別のつけられなかった4体を判別することができる。 消去法で考えて、黙ったままの2体に魔理沙はイリュージョンレーザーを打ち出す。
「くぅ!?」
 命中した内の一体の表情が苦痛にゆがむ。と同時に3体のフランドールの分身が消滅する。
「聞こえたぜ、お前の心の中。」
「わたしが?わたしは何も言ってなんかいないわ。」
「いや、確かにありゃおまえだろ。」
今度は驚愕の表情を浮かべる。確かに言葉を漏らしたのは分身の方。 しかしその分身自体はフランドールが生み出したもの。そのことにフランドール自身も気づいた。
「お前がどんな想いでずっとここにいたのか。私にもよく聞こえた。
 だけどな、ひとつだけわからないんだ。お前の言った「あのとき」ってのは、いつなんだ?」
先ほどまでの激しい弾幕が嘘のように静まり返った空間。その中で魔理沙の言葉が続く。
「お前さん言ったよな、「閉じ込められてる」って。そのことに対してお前は怒ってるんだろ? なんでもない振りしてるだけで、…ホントは外に出たいんだよな?」
「違う!閉じ込められてたんじゃない!お姉様はわたしを守るために…!」

(違う?違わないでしょ?)
(え?)
これまで忘れて、心の奥底に追いやられていた感情が、今度はフランドール自身に語りかける。
(カゴメカゴメの檻にとらわれているのはわたし。お姉様への想いの迷路に迷い続けているのはわたし。)
(わたしが閉じ込められていたのは、お姉様がわたしを守るため。)
(でも、お姉様はわたしの事などお構いなしに外にでていく。わたしはただそれをいつも見送っていた。 なんの感情もなく。でもそれは出たい振りをしていなかったわけじゃない。)
(ほんとはわたしも外にでたかったの…?)
 フランドールの中で、レミリアへの想いと自分の気持ちとが渦巻き始める。
「違う…。」
「え?」
「違う!違う!違う!」
 しかし心の中から語りかけてくる自分自身を否定するフランドール。
「…あなたといると、わたしの心がグチャグチャになる。」
 フランドールは魔理沙のスキをついて再び間合いを広げる。
「なんなのこの気持ち!?わからない。わからないよ!」
「フラン…。」
初めて見せる感情剥き出しのフランドール。彼女は錯乱していた。
「でも今は、この気持ちがなんなのかはどうでもいい。あなたが来てからこんな気持ちになったの! こんなわけの分からない気持ちなんてイヤ!だから…消えて!」
 フランドールが叫んだ瞬間、今度は彼女の姿が掻き消える。

 ―秘弾「そして誰もいなくなるか?」

 しかし弾幕は正確に魔理沙を狙ってくる。
「フラン!」
 魔理沙は姿は見えなくても、そこにいるであろうフランドールに向かって呼びかける。
 しかし、フランドールからの答えはない。ただ弾幕が執拗に魔理沙を追う。 それがフランドールからの返事であるかのように。ただ、消えろという意思だけを込めて。

後編へ続く

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この話は東方シリーズ第6弾「東方紅魔郷」を元に書いています。
話は東方系ポータルサイトに投稿もしています。 投稿したのは、大分前なんですけどねぇ…(大汗)。

東方シリーズを知らない人のためのキャラ、用語紹介

・博麗 霊夢(人間)
幻想郷にある博麗神社の巫女。幻想郷で起こる異変の解決や妖怪退治、神社の掃除やお茶を飲むのが仕事。

・霧雨 魔理沙(人間)
霊夢の友人で魔砲使い。良くも悪くもまっすぐな性格で、異変が起これば首を突っ込みたがるような人。

・レミリア・スカーレット(吸血鬼)
500年以上生きている紅魔館の主。日光を嫌い、幻想郷を霧で包もうとした際、 異変の解決にやってきた霊夢達に倒され、以降彼女達と付き合いを持つようになる。

・十六夜 咲夜(人間)
レミリアに仕える紅魔館のメイド長。刻を止める能力で掃除をしたり。また、ナイフ投げの名手でもある。

・パチュリー・ノーレッジ(魔女)
紅魔館に住むレミリアの友人。知識人で、喘息もちで、日陰を好む(日光は本や髪を傷めるから)。

・フランドール・スカーレット(吸血鬼)
495年ほど生きているレミリアの妹。情緒不安定だが、その力はレミリアを大きく上回る。

・幻想郷
東方シリーズの舞台で、人里はなれた山奥にある、数多くの妖怪とわずかな人間の住む場所。
幻想郷は結界で囲まれていて、結界の境目に位置するのが博麗神社。

・カード(スペルカード)
自機キャラにとっては他のSTGで言うところのボムのようなもの。
ボスの場合は通常攻撃とは違う、ボスの攻撃の段階を示すようなもの。
もちろん、名前にも意味があって、それにちなんだ弾幕で攻撃してくる。

それでは、引き続き後編もお楽しみください。

2006/01/10

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